「人はどんな感情を持っているのだろうか?そしてそれは皆が同様に感じている感情なのだろうか?この白い蝶々は本当に他の人から見たら白いという風に見えているのだろうか?」

ルルツは人の持つ「クオリア」の部分がとても興味深かった。そしてそれはどのようにして証明できるのだろうか?と考えていた。

「おーい、ルルツ、お前また変な研究でもしてんのか?この前失敗したばかりだろ?ほら、あの、何だっけ?兵士から恐怖心を無くす薬。あれ飲んだ兵士は恐怖心はないけど塔から躊躇なく飛び降りたってやつ。恐怖心がないから結局は一般の生活さえままならなくなったやつだよ。それ聞いて王様はお怒りになったろ?」

と親友のエリックは言う。エリックは近衛師団長であり、ルルツの良き理解者だ。ルルツはと言うと、国のお抱えの科学者だが、どことなく抜けており、天才か馬鹿かの紙一重的な存在だった。

「今、考えてるのは国の研究じゃないよ。ただ僕が単純に知りたい事を研究しているだけ。これが証明されたところでなんの役にもたたないさ。」とルルツが言う

「お前はほんと国のごくつぶしだよ。」苦笑しながらエリックは言った。

「ところで、ルルツ、お前最近、魔女の話を聞いたか?なんでも幻覚を見せるそうだぜ?」

「幻覚を見せるか。面白そうだね。その魔女はどこにいるの?」

「今は南のブラームという村にいるらしい。でも今度、異端審問会にかけられるらしく、このアルカデアに連れて来られるらしいぜ?俺もそれで王様の護衛を厳しくするように言われてる。」

「そうか。僕の知的好奇心を満たしてくれそうだなw」

「お前、また変なことするなよ?」とエリック

「わ、わかってるよ。」と釘をさされて躊躇したルルツ

to be continued...

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