「さてと。つまりはあのクラウドの中に入ってしまえば色々な感情や感覚や言語の意味さえも共有できるのだが、肝心なのがどうやってあのクラウドに入るかだ。カルラに毎回、薬を飲ませるとカルラの体がもたないしな...さて、どうしたものか。」

「んん、う~ん。ふぁ~あ。なんか気持ちよくて寝ちゃった。ところでここは?」とカルラ

「ここは僕の研究室だよ、カルラ。」

「そっか。そういえばそうか。」とカルラ

(若干脳にダメージが残るようだな。なおさらこの薬でカルラに負担をかけさせるわけにはいかない。)

ルルツはそう思った。しかしカルラのこの能力を再現しなければカルラは処刑されてしまう。さて、困った。

「そうだ!単細胞生物を一つのニューロンとして鞭毛の先をシナプスにして繋げればいいんだ!有機疑似脳を作ればいいんだ!」

本当にルルツは馬鹿なのか天才なのか分からない。

そこでルルツは作業に取り掛かった。単細胞生物を培養し、電場と磁場を与えて有機脳を作り上げた。そしてクオリアクラウドを覗けるような壺状の容器を作り上げた。ここからが問題だ。カルラの能力を複製しなければならない。そこでまたカルラには負担にはなるがもう一度カルラとこの壺を繋げて有機疑似脳をカルラの脳と同様の作業が出来るようにしなければならなかった。

とりあえずここまでの作業に1週間かかった。そしてカルラが十分休息を取れたと判断してまた例の装置で脳と壺を繋いでみた。

バチバチ!っと壺が音を立てて揺らいだ。

「さて、実験の成果はどうだろう?とりあえず甘いものが食べたい。甘いもののクオリアを取り出そう。そしてこのパンを食べてみよう。」

ルルツは壺を覗いて甘いものカテゴリのクオリアを取り込んだ。そしてパンを食べた。そうすると

「これはすごい!ケーキじゃないか!特上のケーキ!今まで食べたことのない美味さ!」

「私はそんなの感じることが出来ないんだけど、ルルツ。私にもできる?」とカルラ

「どうなんだろう?自分の脳を覗くようなことだからな...。やってみる?」とルルツ

実際、ルルツにもその行為がどの様な結果になるのかが興味があった。しかし最悪の場合、カルラが廃人になってしまうのではないかと頭をよぎった。

「やっぱりだめだ。カルラは覗かない方がいい。万が一カルラの命が亡くなったら元も子もない。だからやめておこう。」

「えー!私の頭から作ったものなのに私だけ損した感じ。ズルい!」とカルラ

「カルラの命の方が大事だよ。そこは分かってほしい。ごめんね。」とルルツ

「そうだ!エリックに試してもらおう!」

to be continued...

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