ルルツの壺3-3

王国研究所に入ったルルツとカルラそれを目の当たりにして

「広!でも内容がショボ!」

ルルツの研究所は規模こそ小さかったもののあらゆる実験装置は高度なテクノロジーで作られていたからである。

「ようこそ、我々の王国研究所へ。私がこの研究所の所長のリューベリッヒでございます。あなたがかの有名なルルツさんですね。お噂はこちらにも数多く届いております。早速ですが、王様に使った壺を見せてくれませんか?」

「あなたは何を望まれるのですか?」とルルツ

「私は知の根源を知りたいです。どうです?可能ですか?」とリューベリッヒ

「可能かどうかはその人のポテンシャルがものを言います。クオリアクラウドでは確かに全てに通じる何かを見ることはできます。しかしその『知の根源』は私にももたらせてはくれませんでした。多くを望むとオーバーフローして廃人になるかもしれませんよ?」とルルツ

「わかりました。ではクオリアクラウドのみに接触したいと思います。壺を覗かせてくれませんか?」

「いいですよ。さぁ、どうぞ。」

おもむろにリューベリッヒは壺を覗き込んだ。

「おお、おお!素晴らしい!全てのものが全部別宇宙で保管されており、そこから取り出し具現化するということなんですね!これは素晴らしい!ところで、この能力はその魔女から取り出したと聞きましたが、その魔女は危険ではないのですか?」

「魔女ではない。カルラだ。それに王様からも許しもでている。危険なことはしない。」とルルツ

「ふぉっふぉっふぉ。まぁよいまぁよい。カルラも実験対象なのだから…ククク。」とリューベリッヒ

「なに?この人?怖い…。」とカルラ

「カルラに酷い目をあわせたらただじゃおかないからな!」とルルツ

「わかってますよ、分かってます…。」とリューベリッヒ

それからリューベリッヒの研究が始まった。それは蛇が絡みつくかのようにカルラをなめまわした。

「おおー!素晴らしい!私のデータでは1万の兵を自制したまま恐怖心を取り除き勇猛果敢な人間にできる!」

「おい!リューベリッヒ!それじゃカルラの体がもたないだろ!何を考えてるんだ?」

「あくまでデータですよ。データ。」

リューベリッヒは明らかに倫理観を超えているのが分かる。カルラを人間として扱ってはいない。

そんな中、一人の兵士が

「伝令!カルディナ帝国が進軍!リュード平原で布陣した模様。わが軍もテスラ川を挟んで布陣準備の号令!魔女の力を発動させよとのこと!」

「ククク…。始まったか…。小娘の出番じゃの…。」とリューベリッヒ

「お前、最初からそれが目的だったのか?」とルルツ

「しょうがないではないか。その小娘のせいでこの戦争が起きているのだから。上手くいけばカルディナ帝国を掌握できることもできる。それにこれは王からの勅命じゃよ。ふぉっふぉっふぉ。」

「く!カルラ!逃げろ!お前がダメになってしまう前に!」とルルツ

「いいの、ルルツ。私のせいで起こった戦争なんだから、私が処理しなきゃね。」とカルラ

「クソ!なんでこんなことに!私の研究が仇となしたのか!」とルルツ

「お前さんが作っていたヘルメットと保存器。これに脳へのブースト機能を足して無敵の軍隊を作り上げることができた。カルラは借りていくぞ。」とリューベリッヒ

「そんなことさせる…!」

ルルツは兵士に取り押さえられた。

「くそ!離せ!カルラを解放しろ!クソ!」

「ルルツ博士にはしばらく大人しくさせてもらう。」

そう言われてルルツは投獄されたのだった。

to be continued…

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