小学校の時の国語で怒りは悲しみを感じてから発生するというメカニズムあると書いてあった。しかし私の場合は悲しみがとても長く続いてその後に怒りになる。だからとっさに怒ることはあまりない。ただ単に悲しみが残る。もとより悲しみの感受性がとても強い。前にも書いたが、悲しい音楽を聴くだけで幼い頃は涙が出そうになるほどだった。それぐらい悲しみの感性が強い。悲しいという感性を始めて覚えたのはそれは2歳までさかのぼる。母が玉子焼きを作って、その焦げ目がとても美味しそうだったのでそれをつかんで食べようとしたら父に「こら!」と怒られてお腹の辺りがキューンとなったのがこれが不思議な感じだなって思ったのが最初だった。年を取るにつれてその感覚が悲しいというんだなということに気づいた。あまり悲しみの感覚はいやだな。むしろ怒りの感情を瞬間的に出せるほうが生きる上で重要なことだと私は思う。怒りすぎるのもアレだが。

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