帰路で雅が

「(今日私が働いているマスターのお店行ってみない?)」と雅

「(あのワインバー?)」

「(そうそう。備中倉敷葡萄酒酒場っていうの。)」

「(へぇ。でも俺、ワインなんて飲んだことないよ?)」

「(大丈夫。マスターはシニアソムリエだからいいワイン選んでくれるよ!)」

「(そっか。それなら行ってみようかな。)」

「(その前に腹ごしらえだね。マスターの店は予約がないと料理が出せないの。だからふるいちによってうどんでも食べてから行こうよ!)」

「(わかった!)」

岡山駅に着いて倉敷に向かい、倉敷駅から駅前のふるいちに向かった。うどんと言えば香川県なのだが、ことぶっかけうどんに関してはふるいちが発祥らしい。

もう夜7時頃になっていた。ふるいちに着き、雅が

「(私は普通のぶっかけがいい。一緒に頼んでよ。私話せないから。)」

「(今までどうやってきたの?)」と返すと

「(ほとんど筆談だよ。そんなことはいいから早くたのんで!)」と少しばかりイラついた口調。

「(わ、わかった。)」「それじゃあ、ぶっとろ大のひやとぶっかけのひやお願いします!」

「(あ、ひやで頼んじゃったけどいい?)」

「(あったかい方が良かったけどそれでもかまわないよ。)」

「(そっか。それじゃあ、2階で食べようか。)」

「(うん。)」

2人うどんを黙々とたべる。つるつると二本ぐらいしか吸えない雅が面白かった。

「(雅って、ズルってうどん食べられないの?w)」

「(うるさいなぁ。肺活量がないのよw乙女にそんなこと聞いちゃダメよ)」

2人の世界だが、おそらく周りから見たらなんで無言なのっていうデフォルト。

8時過ぎぐらいに雅が働いているワインバーに行った。こじんまりとしたバーで表はガラス張り。木のぬくもりを感じさせる作り。テーブル席は二つ。カウンターは5席ぐらい。ものすごく人でにぎわっていた。雅が店に入りマスターのところへ行くと、

「おお!雅か!今日は休みだぞ?皿洗いでもするか?w」というが当然雅には聞こえない。

筆談で『今日は連れと一緒に来てるから、席が空いたら呼んでくれない?』と

『わかった。表で待っとけ。てか、表の彼氏は未成年じゃないの?』

『そこはマスターの顔でなんとかしてよ』

『んー、しょうがない。ここは目をつぶってやるよ!』

「(イエイ!)」とピースしながら私の方へ向いた。しばらく外で待つことにした。その間煙草を何本か吸って待っていた。

客が二人出ていってカウンターが二席空いた。

「入っておいで!」とマスター

「おじゃましまーす。」と私。

大人びた空間に不慣れな私は凄く圧倒されている。場違いなのはわかっているが、それも雅が一方的に引っ張ってくる。年上の彼女を持つということはこういうものなのか?とふと考えた。

「お兄さん、名前はなんていうの?てゆーか、雅が彼女だと会話とか焦らなかった?」とマスター。マスターは40くらいのあごひげが生えたダンディな細身の気品漂う男性だった。

「ああ、僕の名前は秦野駿です。とくに雅との会話は...」とその瞬間

「(私がテレパシー使える事は言わないで!)」と入ってきた。

「ああ、雅との会話は多少大変ですけど、可愛いので許してしまいますw」と私

「(なんで俺がテレパシーの話しそうになったの分かったの?)」

「(だから駿が聞いてることも時折聞こえるんだってばw)」

なるほど...

(あぁ、そうなんだ...マスターは雅がテレパシー使えることを知らないんだ。そして繋がることもできないんだ。)と思った。

to be continued...

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to be continued...

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