その村に観音堂というお堂があった。そこでは村人の信仰が厚く、現代でも月に一度人々がお参りにやってきていた。そのお堂では代々、女系であり、婿養子を取って繋いできた。その生まれる女は代々、音を観る能力が備わっていた。その力を持ってして様々な吉兆を占い、村人の相談役となっていた。その中で100年に一度に現る白い髪に緑の目をした、特に観音様の恩恵を受けたと言われる力の強い子が生まれることがある。その子がこの舞台の主役、観音堂の詩音である。

詩音は生まれつきに音を観るだけでなく、人の呼吸や波動などを観ることができた。幼くしてどの人が病気であることや、その人の寿命が近いなどということを当ててきていた。しかし彼女は無邪気ゆえにそこで気に病むことはなかった。これだけは救いであった。また、詩音は病にかかっている人の色の波動を変位させて違う色にして病を治すことまでできた。しかしこの強い力はあまりにも他人に影響を及ぼすため、お堂に来る信者にのみ施され、また口外を固く禁じさせた。

「ねぇ、お母さん、どうしてみんなは色んな色をしているの?落ち着いている人は緑色、なんか頑張ってる人は青色、怒ってる人は赤色とか…。」

母、詩菜は答えた。

「それはね、皆色んなことを感じているの。詩音だってお母さんから叱られたらどう見える?」

「う~ん。なんだか周りが茶色く見える。」

「そうだね。それが詩音が感じた色だよ。そんな気持ちを大切にしてね。」

にこりと笑って詩菜が答えた。

「しーおーん!あーそーぼー!」

「あ、亜斗からだ!お母さん、行ってくるね!」

「日が暮れる前には帰ってくるんだよ!」

「はーい!」

詩音は亜斗のもとへと行った。

亜斗と一緒に駄菓子を買って近所の公園に行った。

「なぁ、詩音、なんでお前は色なんか見えたりするの?それに髪の色も真っ白で目も緑だし。外人みたい。大人たちは皆お前は特別だって言うし。」

と駄菓子を食べながら亜斗が言う。

「う~ん。何が特別なんだろう?普通だと思うけど。確かに色は見えるよ?それぐらいは分かってる。」

と詩音はパンダの乗り物に乗りながら亜斗に言った。

「それよりも、亜斗、亜斗のお母さんがこの前少し紫色に見えたよ?」

「え!?ヤバ!早く家に帰って報告しないと!詩音、ごめん!」

と一目散に家へと帰った。

「ん?どうしたんだろ?」

キョトンとして詩音は駄菓子を食べていた。

紫色は病や凶兆を示す色であった。まだこの頃はあまりその凶兆には詩音は気が付いていなかった。ただ、周りの大人が詩音がどういう色に見えたかどうかを判断してそれを元に病気や寿命を当てていたのだ。子供にそれを教えるのは酷だからである。

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