そうして二人は京都へ向かった。共鳴刀は竹刀を入れる袋に入れて行った。さすがに公共の場で刀を持ち歩くのはちょっと厳しい。救われたことに共鳴刀は金属で作られてはいないことだった。

京都駅にて

「うわー!京都駅って凄い都会!こんなに大きいんだね!」

と詩音が言う。

「田舎者には刺激が強いなw」と亜斗。

「とりあえずどうしようか?その辺の神社仏閣に行ってみようか。」と詩音

「そうしよう。」と亜斗

しばらく街を歩いていたが、京都の街は複雑で迷ってしまった。

「どうする?スマホのGPS使って駅まで戻る?」と詩音

「う~ん。それも仕方がないかな。でもやみくもに探しても手掛かりがな...。」

と言ってると托鉢のお坊さんが歩いてきて

「貴女様は詩音様ではございませんか?共鳴刀の件を承っております。清水寺の方へどうぞ。」

「え?あなたは?」

「私は九条様の使いです。それでは。」

「九条?何者だ?」と亜斗

「わかんないけど、取り合えず清水寺までいこうか。」

そして二人は清水寺に向かった。

「しかし清水寺までのこの道だけで凄い人だな。」と亜斗

「そりゃあ、観光名所だからでしょ?」と詩音

「はぁ。ようやくたどり着いたな。しかしこの観光客だらけの中からどうやって探せばいいんだ?」と亜斗

「待って!来る!」

と詩音が言うと、周りが紫色に変わり、観光客が消えてしまった。そしてそこに現れたのがバカでかいカエルだったゆうに3メートルぐらいの高さがあるカエルだった。

「ゲコ、ゲコ!」

と言いながら背中の油を投げてきた。二人はそれをかわし

「あぶねぇ。なんだあれ?」と亜斗

「おそらくガマの油ね。普通だったら薬だけど、あれは本来の幻覚作用のやつだと思う。共鳴刀を構えて!」と詩音

「わかった。どうやって攻める?」

「とりあえず間合いを見よう。」

じりじりと二人が間合いを詰める。少し立ち入ったところでカエルが

「ゲーーーー!」

と舌を伸ばしてきた。サッと身をかわし後ろに跳んだ。

「近づけば舌を出し、遠ければ油を飛ばす。どうやって攻めればいいんだ?」と亜斗

「(お前さんたち、共鳴刀が濃紺になっている。それは恐怖の証だ。まずは落ち着いてみたらどうだ?)」

「誰?とにかく落ち着こう。色彩変位、オールブルー!」

「おお!ちょっと勇ましくなった!サンキュー、詩音!俺が囮になって引き付ける。その隙に詩音は後ろに回ってくれ!」

「わかった、亜斗!」

後ろに回り込んだ詩音はカエルの背中を切りつけた。だが、

「ああ!油で治癒をしている!こいつ自身には薬にもなるんだ!」

「(二人共、共鳴刀に呼吸と鼓動を響かせろ。詩音は亜斗の剣に。亜斗は詩音の剣に。そうやってしばらく戦ってみろ)」

「なんだ?よくわかんねーがやってみるか。」と亜斗。

しばらく戦いは拮抗した状態にあった。だがそこで亜斗が油を浴び、

「くっ!カエルが何重にも見える...。どれが本物だ...」

「亜斗!気を付けて!」

その瞬間にカエルの舌が亜斗にまとわりついた。そして二人の共鳴刀が桜色に変わった。

「亜斗!」

と言った途端に亜斗はカエルに飲み込まれていった。その間に共鳴刀を落としていった。

詩音は刀を拾い、カエルの腹の下へ滑り込んだ。そして

「二刀共鳴斬!」

と言って腹を切りつけた。するとブシャー!っと血が噴き出し、内臓と共に亜斗が出てきた。

「亜斗、大丈夫か?」

「ああ、もう少しで溶かされるところだったよ。ありがとな!」

こうしてカエルを倒した。すると血まみれだった体や、カエルの死骸などが消えてなくなった。

そして共鳴刀はパリーン!と割れて刃の部分が粉々になった。

「お見事、お見事。」

パチパチパチ。と拍手しながらやってくる者がいた。共鳴刀のない詩音と亜斗は戸惑いながら

「誰だ!?」

と叫んだ。すると

「私は九条。九条直人。共鳴刀の守り手の一人だ。先ほどはどれぐらい実力があるか確かめさせてもらった。初めての戦いにしては良い動きをするじゃないか、詩音様、そして亜斗。」

「さっき戦ってもらったのは私の式神だ。二人を試させてもらった。悪かった。とりあえず共鳴刀の復元の話をしようか。さて、清水の舞台から飛び降りるぞ!」

そう言って九条は清水の舞台から飛び降り、白く光る円の中に入っていった。

「亜斗、行くぞ。」

「ちょ、ちょっと待てよ。」

と二人も清水の舞台から飛び降りた。

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