「取り合えず東に向かってるけどさ、九条さんの所に寄っていかない?」と詩音

「そうだな。あそこから始まったようなもんだからな。コンビニに立ち寄って宇都宮さんに伝えるか。」と亜斗

そして3人は近くのコンビニに寄った。

「宇都宮さん、私たちがお世話になった九条さんっていう方の所に寄ろうと思うんですけど、どうです?」と詩音

「俺は構わねぇが、観音堂直系の人が魔音系の人間を受け入れてくれるかどうかだけどね。」と宇都宮

「そんな系列があんの?」と亜斗

「そう。観音堂系列は調和を重んじてむやみに自らが動いたりしないんだ。だが、魔音系は派手に動いて狩をして魔音の力を手にするのさ。闇を取るのと見返りに。観音堂系は闇に汚れるのが嫌いなのさ。」と宇都宮

「でも結局、私たちも今は闇に少しづつ汚れてきてるんでしょ?」と詩音

「まぁ、それはそうだが、詩音ちゃんの場合は光が強すぎてそんなものはないに等しいけどな。亜斗は魔音刀を作り続けてれば闇は取れる。」と宇都宮

「そうなんだ。俺は結構危ないんだね。」と亜斗

「まぁ、そんなこんなで考え方の違いで魔音派は観音堂派と意見が合わない所があるってこと。」と宇都宮

「多分、九条さんなら大丈夫だよ!行ってみよ!」と詩音

「わかった。」と宇都宮

そして一行は京都に向かった。

そして京都に着き

「あれー?九条さんとこどこだったっけ?そう言えばかなり入り組んでたよな。」と亜斗

「オートドライブで九条さんの所にいけないの?音針盤はどう?」と詩音

「音針盤も反応ないな。初め使ったように共鳴刀で反応探るか。」と亜斗

「でも共鳴刀でも探せなかったんだよね、初めは。でもやってみようか」と詩音

そして共鳴刀が反応する方向にグルグルと入り組んだ道を入って回った。すると以前に見た大きな屋敷にたどり着いた。

「やっぱりでけぇなー。この屋敷は。」と亜斗

「へぇ。ここが九条ってやつの屋敷か。」と宇都宮

「九条さーん!いますかー?」と詩音

すると奥から

「これはこれは詩音様。いらっしゃいませ。どうかなさいましたか?」と九条

「いえ、旅路の途中に九条さんに会っておきたくて途中に寄っただけです。」と詩音

「この魔音の者はどうしてここにおられるのですか?」と九条

「旅の途中、成り行き上一緒になって。」と詩音

「魔音の者。詩音様に闇を乗せてはないだろうな?もしそんなことがあれば私の式神で引き裂くぞ!」と九条

「おいおい、勘弁してくれよ。俺はちょいと詩音ちゃんや亜斗の手助けをしてるだけさ。」と宇都宮

「それならいいが、もし詩音様たちになにかあったら観音堂一派が黙ってはおらんからな!」

「へいへい。」

「まぁまぁ、九条さん、私は宇都宮さんがいて助けてもらってるから大丈夫ですよ!」と詩音

「詩音様がそうおっしゃるのでしたら...。」と九条

「ところで九条さん、なんで私たちに闇が溜まっていくことを教えてくれなかったの?」と詩音

「それはですね、闇が溜まっていくことを気が付かない方がいいと思ったからです。詩音様がそれに気が付かなければ詩音様の光で全て滅することができます。ですので無暗に知らせる必要がなかったからです。逆に気になって闇を倍増させるようなことがあったらそっちの方が危険でしてね...。」

「じゃあ、俺はどうなってたの?」と亜斗

「亜斗も詩音様の光で浄化されるはずだったからです。近くにいればだんだんと闇は消えていきます。」と九条

「え?そうなの?俺、魔音刀作れてんだけど?」と亜斗

「それは音の獣を倒した直後だからだよ。」と宇都宮

「亜斗にも共鳴刀の作り方を教えたでしょ?」と九条

「あぁ、共鳴刀よりも魔音刀のほうが作りやすいみたいで。詩音が二つとも作った方が形状も綺麗だし、威力もあるので。」と亜斗

「まぁ、共鳴刀は本来、二刀流のものですが二つ違う音が共鳴する方が強さが倍増するのだが...。まぁいいでしょう。」と九条

「ところで私たち各地回って音の獣を倒してるけど、一体これからどうすればいいの?」と詩音

「夢堂が弱体化していって闇落ちする寸前にその片鱗を周りに撒くでしょう。それを察知して闇落ち寸前の夢堂を倒すというところですかね。時間との勝負ですね...。」と九条

「どうやったらその時が分かるの?」と詩音

「それは詩音様の目でも分かるでしょう。それよりひとまず今日は我が家でくつろいでいってください。客間に案内しますね。」と九条

客間に案内された。そこは日本庭園が見渡せて、そこらの旅館なんかより遥かに美しい景色が広がっていた。

「ささ、男二人はこちらへ。詩音様はこちらです。」と九条

「九条さん、一人でこの家管理してるんですか?」と詩音

「一人ではないですよ。全てがつくも神によって保たれています。」と九条

「そうなんですか。」

とあまり返す言葉がなかった詩音であった。

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