Contrast White 2

とあるお昼時

「ああ!腹減った!飯だ!」

と早川がデスクから立ち上がった。そしてみんながお昼はどんなものを食べてるのか少々気になって、それとなくぶらついた。すると桜井の弁当が気になった。そしてそれとなく話しかけた。

「桜井さん、この前はお世話になりました。ところでそのお弁当、凄く美味しそうですね!」

と弁当が気になって尋ねてみた。本当に美味しそうだったのだ。桜井は昼はちゃちゃっと済ませて外に出かけるのだが、この時は捕まってしまった。

「なんだか最近、お弁当作るのが趣味なんです。良ければ早川さんのもお作りしますよ?」

「え?本当ですか?めちゃくちゃ嬉しいです!よろしくお願いします!」

先の一件からどことなく気になっていた女性からお弁当を作ってもらえるなんて、なんだか少女漫画的に運命を感じてしまう早川だった。

それから早川はお昼休憩が毎日楽しみになった。そして桜井への気持ちも強くなっていった。ただ、その弁当が誰のためだとは知らずに。

そして早川と桜井の間柄はそのうち署内でも噂になってきた。それはかなり親密に話している姿を度々見かけられるからであった。

「おい、早川、桜井をデートにさそったのか?」

と先輩から言われたが、

「デ、デートですか?いやいや、僕らはそんな関係じゃないですよ!」

「照れるな照れるな!もう署内じゃ噂でひっきりなしじゃ。隠さんでもええじゃろ?」

「そ、そうですか?じゃあ今度誘ってみようかな?」

などと早川の方もその気になってきた。そして思い切って夕食に誘うことにした。

「桜井さん、もしよろしければ今度の週末、食事でもしませんか?備中倉敷葡萄酒酒場というワインの美味しいお店があるんですよ。行きませんか?」

と満を持して桜井を誘った。そうすると桜井は少し戸惑った様子で

「あ、あぁ。来週の土曜日の夜なら行けますよ。それでも良ければ…。」

「は、はい!よろしくお願いします!」

早川は天にも昇る思いだった。

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