Rising Sun of far east 6-1

「さーて、シャワーを浴びて飯を食って、ゆっくりして寝るか!」

とジョージは上機嫌。皆の顔色も安堵で漂っている。

「しかし、こんな展開だとは思わなかった。あんなに過酷に虐げられていた俺達なのに、こうも簡単に中国軍が撤退するとは。なんだか不気味だ。」

と私。

「う~ん。そうですね。あ、ちょっとまって!父からの電話です! もしもし。はい。お父様が無事でよかった!それで?はい。はい。今度秦野さんを紹介します!それじゃあ!」

と詩織が電話を終えると私が

「お父さんはなんて?」

と、問うと

「今回、何度も助けていただいたしゅんちゃんにお父様が会いたいらしいのです。紹介してもいいかしら?」

「それは構わないけど、私は大したことはしてないですよ?それに私はあなたのボーイですから。」

「あら、そうでしたね。でしたら報酬をたんまり払わないとね。クスクス」

とここまで親密に行動してきたから上下関係もクソもないっていう感じではある。

「あ!そうだ!それより伴場のところに一度戻ろう!いいですかね、詩織さん?」

「構いませんよ。」

そう言って二人は一度伴場のいるところに戻るこのになった。

某日某所、伴場のいる街まで戻った。伴場が行きそうな場所や居酒屋などを探してみると、いつもの居酒屋にいた。

「お~い!伴場!元気でやってるか!」

「秦野!てめぇ!」

ボカ! と伴場に殴られた。

「いきなりなんだよ!」

と私はパニック気味に問うと

「お前のせいで酷く尋問を受けたよ!そのあとすぐ東日本の連中がやってきたからよかったものの、結構痛い目にあったぞ!クソ!酒も奢れよ!一体何してたんだ、お前?」

「ああ、ちょっとな…。」

一連の話を伴場にした。

「ふ~ん。お前らかなりヤバい山を通って来たんだな。よく命があったな。良かったよ。さっき殴ったのは謝るよ。少し寂しい面もあってな、つい。」

「そうか。分かってくれたならありがたい。」

「ところでそこにいるこの場にふさわしくないお嬢様はどちら様ですか?」

「ああ、こちらは俺の雇い主の山城詩織さまです。Japan Fluorineのご令嬢です。」

と私が紹介すると

「もう。Japan Fluorineのくだりはよしてください。山城詩織です。よろしくお願いします。」

「へぇ。こんな綺麗なお嬢様のところでボーイなんてやってるなんてお前は勝ち組だよ。俺なんて…。クソ…。」

「お前飲みすぎじゃないか?ひとまず帰ろうぜ。」

「うるせぇ!俺はまだ飲み足りん!飲ませろ!」

「すいません、詩織さん。私は伴場の面倒をみます。詩織さんは、えーと、どうしよう…。この辺りタクシー来ないしな…。一旦皆で私の家に行きましょう。」

「しゅんちゃんの家ですか?興味ありますわ!」

「まぁ、狭いし散らかってますが、いったんそこまで行きましょう。」

「分かりました。」

そういって私は伴場の肩を持ち、詩織と一緒に我が家に戻るのだった。

我が家に戻り、二人を招き入れた。すると詩織が

「なんて殺風景な部屋なの!」

と驚いていた。それは驚くに違いない。私が求める精神的に安定するのは必要最低限度のものしかなくて、コンクリートむき出しの家だからである。ミニマリストなわけではないが、精神科病棟に近い感じと言えばいいだろうか。

「まぁ、そうですね。」

と私が詩織に答えた。

「詩織さんは私のベッドで寝てください。私達はその辺で適当に寝ますから。エアコンはないので蒸し暑いかもしれませんが、ベッドの近くの窓を開けておけば夜は気温が下がるので寝やすいです。あ、それとシーツも変えますね。」

「ありがとう、しゅんちゃん。それじゃおやすみなさい。」

「おやすみなさい。」

そう言って三人は眠りについた。

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