Rising Sun of far east 6-3

「しゅんちゃんって意外と料理できるのね。」

と詩織が言う。

「ああ、もう独り身が長いですからね。」

と私。

「俺も美女の元で働きてーよー!」

まだごねる伴場。

「とにかくだ。俺達はここを早く出発しなけりゃならない。悪いな、伴場。」

「わかった。」

とこういうところは分別がある男である。

そして我々は大阪のマンションへと向かった。

私の家の近くは瓦礫で覆いつくされているのでなかなか骨が折れる。これを過ぎると修繕された道路になる。そこからはタクシーだった。お金は詩織持ちである。

「ねぇ、詩織さん、お父さんってどんな人なの?」

と私が問うと

「いたって普通の父親です。厳格でもなく、物静かでもなく気難しくもなく、その辺の気さくな父親って感じの父親ですよ。」

と詩織が答えた。しかし詩織が言うとあまり信憑性がない。どうなんだろうか?などと考えていた。

そうしている間に大阪の某所のマンションへと着いた。そして詩織の父親の部屋へと行った。

「お父さん!」

と詩織が父親に抱き着いた。

「詩織!無事でよかった!本当に良かった!」

「お父さんこそ無事でよかった!だって無理やり働かされてたんでしょ?」

「ああ。睡眠時間が2時間程度で働かされてた。社員全員同じだった。でもそれが功を奏したか、純度の高いフッ化水素が作れなかったんだ。奴さんも慌ててたよ。そのせいですこし痛い目も見たがな。」

「大丈夫でしたの?」

「ああ、心配ない。今こうして詩織に会えてるんだから。もう心配ないよ。」

「お父さん!」

「それよりこちらの男性は?」

と詩織の父親が私の方を見てきた。

「こちらは秦野駿一さんです。私のボーイをしてくださってる方です。」

「これはこれは秦野さん、娘がお世話になってます。私は山城淳二、詩織の父です。今後ともよろしくお願いします。」

「いえいえ、お世話になっているのはこちらの方です。色々と助かっています。」

これまでの一連の話を淳二に話した。

「よくも娘にこんな目を!と言いたいところですが、成り行き上しかたがなかったのも分かりました。よくぞ娘を守ってくれました!ありがとうございます!」

「いえいえ、私は本当にこんな目に合わせて申し訳なく思ってます。そして本当に娘さんに助けてもらってます。本当に感謝の念しかありません。」

「世間知らずの娘だと思っていましたが、こういう風に大人に感じたことはなかったです。これも秦野さんのおかげでしょう。礼を言います。」

「いえいえ、滅相もございません。」

たしかに気品高く感じる父親だが、そこまで高圧的、威圧的、そういった感じのない人だということは分かった。

「さて、これから我々は親子水入らずに過ごすとするか、な、詩織。」

「そうですね、お父さん。秦野さんもご一緒にいかがです?」

「ああ、私は…。」

プルルルル と私の電話が鳴った。取ってみると

「秦野、ジョージだ。戸部のおっさんもいる。和歌山のあの基地まで来てくれ。」

「分かった。すぐ行く。」

そう言って私は電話を切り、詩織に

「これから和歌山のあの基地まで行く事になりました。お二人で親子水入らずにしてください。」

「ちょっとしゅんちゃん、私を置いて行く気?」

と詩織が不機嫌そうに言った。

「さすがにまた今度も詩織さんを巻き込むにはいかないよ。」

と私が答えると淳二が

「何事にもものおじしていた娘がこんな風に強くなったのも恐らく秦野さんのおかげでしょう。ですから、今回も連れて行ってやってください。聞くところによるともう日本から中国軍は撤退したらしいじゃないですか。」

「それはそうですが…。分かりました。最後まで責任を取ります。私が守ります。しかし少しでも危険を感じたらそれ以上の深追いはやめさせますからね。」

「ああ、それでいい。詩織もそれでいいだろ?」

「はい、お父さん。私も最近、こういった活動がとても誇らしく楽しくあるんです。だから今回もお役に立てたならと思います。」

「分かった。では二人とも行ってきなさい。くれぐれも気を付けて。」

「はい。分かりました。」

そう答えて私と詩織は和歌山のあの基地に行くのであった。

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